日本経済新聞が2025年12月に報じた「ダーツ愛好者700万人・設置店約3,700店」という市場データを起点に、ダーツライブ社の市場調査と、ボウリング・ビリヤードの参加人口データを並べて、国内ダーツ市場のいまの規模感を整理します。
日経が報じた国内ダーツ市場のデータ(2025年12月)
日本経済新聞は2025年12月13日付の記事「ダーツ、700万人に刺さる マクドナルド超え3700店設置・選手『推し活』も」で、国内のダーツ市場を特集しました。報道のポイントは次の2点です。
- 日本のダーツ人口は700万人に迫る勢い
- ダーツマシンが設置してある店は約3,700店以上
タイトルにある「マクドナルド超え」は店舗数の比較です。国内のマクドナルドは約3,000店(2025年4月時点の集計で2,976店)ですから、ダーツを投げられる場所はハンバーガーチェーン最大手の店舗数より多い計算になります。
同記事では、ダーツが「飲みながら楽しむ遊び」の枠を超え、プロ選手の試合を観戦したり、好きな選手を応援したりする「推し活」の対象になりつつあることも紹介されています。
「700万人」の根拠:ダーツライブ社の調査でみる推定プレイ人口の推移
「700万人に迫る」という数字の裏付けになるのが、ダーツマシン大手の株式会社ダーツライブ(DARTSLIVE)が毎年発表している市場調査です。2025年6月発表の調査(2025年3月実施・15〜64歳対象・インターネットリサーチ)では、1年以内にダーツをプレイした人は推定693万人。日本人のおよそ18人に1人が、この1年間にダーツを投げたことになります。
| 調査年 | 推定プレイ人口 |
|---|---|
| 2022年 | 522万人 |
| 2023年 | 595万人 |
| 2024年 | 650万人 |
| 2025年 | 693万人 |
(ダーツライブ社の各年の市場調査より)
2022年からの3年間で171万人増と、増加が続いています。本記事の執筆時点(2026年7月)で確認できる最新の調査は、この2025年版です。
プレイヤー層の変化:Z世代がボリュームゾーン・女性比率は35%
同じ2025年の調査では、プレイヤーの内訳も公表されています。
- 年齢層は20〜24歳が最多(21%)、次いで15〜19歳(19.4%)と、Z世代がボリュームゾーン
- 女性プレイヤーは約243万人で全体の35%を占め、調査開始以来もっとも高い女性比率
- 男性プレイヤーは約450万人
「ダーツはお酒を飲みながら大人が楽しむもの」というイメージに対して、実際のデータでは10代後半〜20代前半が中心。いま伸びているのは若い世代と女性、というのが調査から読み取れる変化です。
ボウリングと比べる:参加人口560万人・ボウリング場は631施設
ダーツと同じ「身近な屋内競技」の代表格、ボウリングと並べてみます。
日本生産性本部の「レジャー白書2024」によると、2023年のボウリング参加人口は560万人(参加率5.8%)。前年(2022年)の480万人から80万人増えています(公益社団法人日本ボウリング場協会の広報資料より)。施設数は、同協会の調べでボウリング場631センター(2024年8月1日現在)です。
大まかな規模感を並べると、次のようになります。
- ダーツ:推定プレイ人口693万人(2025年・ダーツライブ社調査)/設置店 約3,700店(2025年・日経報道)
- ボウリング:参加人口560万人(2023年・レジャー白書2024)/631施設(2024年・協会調べ)
参加人口では、ダーツとボウリングはほぼ同じ規模帯に並びます。一方で「場所の数」は、ボウリングが専用施設(ボウリング場)の数であるのに対し、ダーツの約3,700店は「ダーツマシンが設置してある店」の数です。数えているものが違うため、施設数どうしの単純な比較はできません。
なお、人口の数字についても、この2つは調査主体も対象も定義も異なるため、「ダーツの方が人気」と断定することはできません。違いは後半の「数字を読むときの注意点」で整理します。
偶然の一致?1972年のボウリング場は約3,700施設だった
数字を眺めていると、面白い符合があります。日本ボウリング場協会の統計によると、昭和のボウリングブームがピークを迎えた1972年(昭和47年)のボウリング場数は3,697センター。現在のダーツ設置店「約3,700店」と、ほぼ同じ数字です。
ただし、この2つは「専用施設の数」と「マシンが置いてある店の数」という別々の基準の数字で、同じものさしの比較ではありません。「50年前のボウリングブームの広がりと、いまのダーツの広がりが、数字の上では同じくらいの規模感」という参照点として捉えてください。
ちなみに同協会の統計では、ボウリング場はピークの1972年から4年後の1976年には879センターまで減り、その後2007年ごろまで1,000施設以上を維持したのち緩やかに減少、2024年12月末時点では629センター・18,130レーンとなっています。ブーム期の数字がそのまま定着するとは限らない——ボウリングの50年は、市場の数字を眺めるうえでそんな参考例も示してくれます。
ビリヤードは210万人:アミューズメント系競技の中での位置づけ
もうひとつ、ダーツと同じ「お店で楽しむ屋内競技」の仲間として、ビリヤードも見てみます。
専門メディア「ビリヤードデイズ」が紹介したレジャー白書2025のデータによると、2024年のビリヤード年間参加人口はおよそ210万人(参加率2.2%)。前年から約60万人増えています。
3競技を並べると、規模感は次のとおりです。
- ダーツ:推定693万人(2025年・ダーツライブ社推計)
- ボウリング:560万人(2023年・レジャー白書2024)
- ビリヤード:約210万人(2024年・レジャー白書2025)
数字のものさしはそれぞれ違いますが、3競技とも直近の調査では前年から増加しています。その中でダーツは、参加人口の規模でボウリングと並ぶ水準にあります。
数字を読むときの注意点(調査主体・対象・時点が違う)
ここまで並べた数字は、それぞれ調査のものさしが違います。まじめに比較したい方のために整理しておきます。
| 数字 | 調査主体 | 対象 | 定義 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| ダーツ 693万人 | ダーツライブ社(調査実施はマクロミル) | 15〜64歳 | 1年以内にプレイした人の推定 | 2025年3月調査 |
| ボウリング 560万人 | 日本生産性本部(レジャー白書2024) | 15〜79歳 | 1年間に1回以上参加した人の推計 | 2023年 |
| ビリヤード 約210万人 | 日本生産性本部(レジャー白書2025) | 15〜79歳 | 同上 | 2024年 |
| ダーツ設置店 約3,700店 | 日本経済新聞の報道 | — | ダーツマシン設置店舗数 | 2025年12月報道 |
| ボウリング場 631センター | 日本ボウリング場協会 | — | 専用施設数 | 2024年8月 |
対象年齢の範囲も「プレイ人口の推定」と「参加率からの推計」という定義も異なるため、この記事のデータから「ダーツ人口はボウリング人口を超えた」と言い切ることはできません。言えるのは、複数の調査がそろって増加傾向を示していて、ダーツが数百万人規模の競技としてボウリングと同じ規模帯に育っている、というところまでです。
まとめ
国内ダーツ市場のいまを、出典つきのデータで振り返ります。
- 日本経済新聞は2025年12月、ダーツ愛好者が700万人に迫り、設置店約3,700店が国内マクドナルドの店舗数を上回ると報道
- 裏付けとなるダーツライブ社の調査では、推定プレイ人口は693万人(2025年)。522万人(2022年)から3年連続で増加
- 20代前半までのZ世代がボリュームゾーンで、女性比率35%は調査史上最大
- ボウリング(560万人・2023年)とほぼ同じ規模帯に並び、ビリヤード(約210万人・2024年)を上回る規模
- ただし各数字は調査主体・対象・時点が異なるため、単純な優劣比較はできない
個人的には、ダーツ人気に陰りがあるような印象でしたが市場規模だけ見ると拡大しているようですね!
引き続き面白いデータがありましたら、また取り上げてみたいと思います。
