昨晩馴染みのお店で、数人でダーツをしていたところ、利き目の話になりました。利き目を意識する必要性はあるのでしょうか。二つの考え方が出たので、まとめてみたいと思います。
全て右投げを想定して考えてみようと思います。
1)利き目を意識する
利き目を意識するメリットとしては、「目・肩・手・ターゲット」について、縦ラインを意識しやすくなるからだと思います。特に右目が利き目の場合、この縦ラインというものはとても感じやすくなります。但し逆に左目が利き目の場合、わざわざ右目に利き目を修正したり、利き目に合わせて、左投げに変更する人もいます。それほど、縦ラインというイメージを作る上で、利き目を重要と感じているプレイヤーが多いからだと思います。
2)利き目を意識しない
ぼくはこのタイプです。なぜかというと、遠いところを見る時は、利き目が右目になり、近くのものを見るときは、利き目が左目になるという、大変ややこしいタイプだからです。ではどのように、縦ラインを意識しているのでしょうか。答えは”なんとなく”です。なんとなく両目でターゲットを見るようにしています。決して、「目・肩・手・ターゲット」といった、形を意識しているわけではありません。両目で”なんとなく”見ることで、ターゲットまでの距離を感じるようにしています。この辺りは、色々考え方があるかと思うのですが、右目だけや左目だけで、目をつぶってダーツを投げてみて下さい。距離感がとても感じにくくありませんか。両目で見ることで、ターゲットまでの距離を認識し、その空間に向かって投げていくイメージを持っています。利き目ばかり意識して、うまくならない人は、この距離感を感じれていない人が殆どです。毎回ターゲットまでの距離を認識してダーツを投げるようにしてみて下さい。これだけで大分スコアが変わってきて、意識も変わってくるかと思います。
また距離を認識する方法として、ダーツの的ではなく、カーテンやクッション等、別の場所にダーツを投げてみて下さい。(ティップがあると刺さってしまうので、取って下さいね。)決して、利き目だけで的を見ていないのではないかと思います。両目で距離感を認識し、ダーツに伝える力を認識して、一投一投意識しながら投げれてはいませんか。その感覚を必ず持つようにして毎回ダーツを投げれれば、今までと違った成果が出てくるかもしれません。
この本を最近読んでとても参考になりました。
「自動化の回避が究極の鍛錬を継続することの一つの効果なのだ。自分がうまくできない点を絶えず意識しながら練習するという鍛錬の本質から、自動化に基づく行動をとることが不可能となる。」
利き目を意識することや、フォームを固めること、リズムを意識すること、全て自動化のための行動ではないのかなと思ってきました。またそれは避けるべきものではないかと思うようになってきました。色んな大会に出て、最近思うことは、「練習と全く同じ環境で投げれることはない」ということです。ダーツボードの背景色によって、距離感の錯覚を感じることもありますし、実際ラインが間違っていて、ダーツボードまでの距離が変わることもあります。またその日の湿度や、会場の広さによって、ダーツの飛びが変わってくることもありますし、自分の体調も日に日に変化していきます。グリップ一つとっても、手が浮腫んでいる時や、乾燥している時、暑い時、寒い時で、必ず同じ状態であるとは限りません。そういった状況の中で、自動化を目指すというのは、色んな場面に対応できない状態を目指すことになるのではないかと思います。たまたま、条件が自分にあった場合に、調子がよいプレイができるのかもしれませんが、条件に自分が合わない場合、調子が左右されることになります。やはり、条件が自分に合う、合わないで考えるのではなく、条件に自分を合わせていくということが必要ではないかと思います。
長年ダーツをしていても、上手くならないプレイヤーは、この自動化を目指している傾向が強いです。一度初心に返って、フォーム等も気にせず、シンプルにターゲットを狙ってみてはいかがでしょうか。忘れかけてた、感覚を取り戻せるかもしれませんよ。